『An seule étoile』覚書
言葉というのは声の調子、抑揚や間、息継ぎのタイミング、目線、表情で伝わるニュアンスが変わるものだと思うのです。
ですから、受け取った気持ちを残しておきたいくて書き記すけれど。メモを取っているわけでもないので、これは私がこう受け取ったという言葉です。
とても。とても正直に弱音の言葉をたくさん打ち明けてくれた。
2018年は役を通してたくさんの想いを伝えてきた。正直、目の前のことをこなすことに精一杯なくらい忙しかった、と。
ステージに出るのが怖かった日があること。
このまま消えてしまいたいとさえ思った日があること。
そんな弱い自分がさらに悔しくて落ち込んだ日があること。
そんな時に伊波さんを支えたのがみんなの言葉だったと語ってくれた。
「ツイッターとかメッセージとか。どうせ一部の人しか読まれてないんでしょ?って思ってるかもしれないけど。ちゃんと見てんだかんね!」
そのひとつひとつの言葉が伊波さんにとって光だった。158センチのちっぽけな身体をみんなが引き上げてくれた。だからそんなみんなに感謝を伝えたかった。それを伝えられるのは、ブログとかツイッターとかあるけど。やっぱり歌と生の言葉だと思った。と。
「『スケジュール厳しいっすよ』って言われた。それでもどうしてもやりたいです!と私からお願いした」
〝生〟の言葉で伝えたかったのだと。
「ありがとう」「これからも伊波杏樹をよろしくお願いします」
伊波さんによるお話はここまで。
夢であるミュージカルのオーディションの最終まで残ったけど最後に掴めなかったことも告白してくれた。
すごく悔しかったと。
ミュージカルの一曲としてレミゼラブルの「On My Own」が披露された。干からびるほど泣いた。凄かった。言葉にならないほど。泣かせどころのある曲に強い人だと前から思っていたけれど。そういうレベルの話じゃなかった。
伊波さんの類い稀なる表現力に追いついていない感じていた歌唱力は、とっくに追いついていた。もっと披露する場がほしい。
できることはほんのわずかかもしれないけれど。応援している人たちのそのほんのわずかが積み重なって叶うのなら、叶えてあげたいと心の底から思った。
私は正直伊波さんが『MIRACLE WAVE』でバク転を披露したときから、もう一生分の夢を魅せてもらったと思っているし。この先はご自身のためだけに頑張ってほしいとすら思ってる。
もう二度と「消えてしまいたい」なんて思ってほしくない。でも生きていたら理不尽なことだってたくさんあるのが現実。そういうときに伊波さんが大丈夫だと思える場所の光の一粒でありたい。
元気でいてほしい。できれば笑顔でいてほしい。それだけでいい。