エトワールの木漏れ日

舞台、ライブ、イベントなどの備忘録

伊波杏樹さんの夢『ミュージカル』のためにできること

 

 『An seule étoile』での伊波さんの言葉を聞き、改めて伊波さんの夢「ミュージカル」を叶えるために具体的にできることを伝えたいと思いました。

 これまでラジオやインタビュー等で何度も言葉にしてくれた伊波さんの夢。それが「ミュージカル」です。
 そんな伊波さんにとって、来年の舞台『銀河鉄道999』はとても重要な意味を持つ舞台となります。まずはその意味を踏まえた上で、具体的にできることを説明したいと思います。

 



 まず、ミュージカルと聞いて演劇に詳しくない人でも『宝塚歌劇団』や『劇団四季』といった名前は聞いたことがあると思います。
 それほど有名な日本を代表する劇団でトップスターや主演を務めた人々が退団したのちに活躍の場として移すのが『東宝演劇部主催のミュージカル』。(もちろんそれ以外の舞台もありますが)
 その直営演劇劇場が『帝国劇場』です。
 ミュージカルを目指す人やファンの人が
「いつか帝国劇場の舞台に立ちたい」
「いつか帝国劇場の舞台に立ってほしい」
 そう願うのはこのためです。ミュージシャンで例えると『武道館』といったらイメージしやすいかもしれません。


 そしてミュージカルを目指す伊波さんにとって、来年の舞台『銀河鉄道999』はとても重要な舞台になります。理由は以下の通りです。

舞台『銀河鉄道999
演出
落石明憲さん…東宝演劇部所属の演出家。

キャスト
中川晃教さん…以後チケット入手が難しくなった人気作。東宝ミュージカル『モーツァルト!』の初演で主役に抜擢され、読売演劇大賞優秀男優賞、文化庁芸術祭賞演劇部門新人賞を受賞。

凰稀かなめさん…元宝塚歌劇団宙組トップスター。退団後いくつかの東宝ミュージカル作品を経て『花・虞美人』で主演を務めた。

平方元基さん…大作と呼ばれるミュージカルに次々と出演。2019年には東宝ミュージカルのなかでもチケット入手が困難な超人気作『エリザベート』にフランツ役で出演が決まっている。

木下晴香さん…2017年にミュージカル『ロミオ&ジュリエット』のジュリエット役に抜擢され、2018年には東宝ミュージカル『モーツァルト!』でコンスタンツェ役を務めた。(伊波さんとWキャストの方です)

 このように、いわばプロフェッショナルの集まる舞台に伊波さんはWキャストとして出演されるのです。
 過去の共演がきっかけで『神ノ牙』や『楽屋』で抜擢されたことを踏まえると、伊波さんにとってこの経験がどれほど貴重で重要な意味を持つかお分りいただけると思います。

 そしてこの錚々たるメンバーのファンの方々や、ミュージカルファンのメイン層はチケット代がやや高いということもあり目の肥えた社会人女性が多いです。そういった方々に応援してもらえること。
 表現力は抜群。歌唱力も現状高海千歌としての歌声を聴く機会しかほとんどないので気づきにくいですが、驚くほど伸びています。あと重要になるのが、こういった〝演劇ファンの方々〟に私たち〝伊波さんファン〟がどう思われるかということです。

 

 

 ここから、私たちファンが伊波さんの夢のためにできることの具体的説明になります。
①他のお客さんにどう見られるかという意識を持つ。
劇場には舞台関係者や、作品・劇団・役者さんのファンなど様々な方が集まります。一般の方に〝どう見られるか〟という意識はとても大切です。
舞台関係者に「この役者さんのファンはマナーが悪い」という印象を持たれてしまえば仕事が来なくなってしまいます。今後のためにも観劇マナーを知り、守っていきましょう。


②観劇マナーを守る
・携帯は電源から切る
(マナーモードでも劇場では響きます)
・上演中は喋らない
・雑音を立てない
(上演中は小さな音でも響きます)
・傘は寝かせて置く
(上演中に倒すと音が響き渡ります)
・遅刻しない
・帽子は取る
・前のめりにならず背もたれに背中をつける
(思っている以上に後ろの席の人の視界を妨げてしまいます)
・応援グッズ等を持ち込まない
・大きな荷物はロッカーやクロークに預ける
(周囲の人の視界や集中を妨げない)
・声援、かけ声は基本的にNG
(思いは拍手に込めましょう。声出しOKの舞台でも名前を叫ぶことNGなことが多いです。)

 公演ごとに異なる注意事項もあるので公式サイトを確認することも大切です。
 知らなくて恥をかく前に〝舞台には舞台のマナーがある〟ことを認識して、自分にも推しにも恥をかかせないファンであってほしいと思います。
「ファンのマナーも良くて気持ちの良い現場だった。またこの人と仕事をしたい!」そう思ってもらえるようなファンでありたいですね。


③座席を埋める。
舞台のチケットを申込む際、キャストさんの名前を選ぶ項目があり戸惑ったことのある方もいらっしゃるかもしれません。
あれは劇団や制作側が誰の扱いで買ったのかを把握するためのものです。なので応援しているキャストさんを選んで申込んでください。集客力という具体的数字は役者さんの武器になります。
(劇団や制作側からすれば今後キャスティングするにあたり、ある程度集客を見込めるキャストの方が安心ですからね。私たちファンにできるもっとも大きな応援ともいえます。)
また、劇場のアンケート等に「今後観たい作品、キャスト」といった項目があればそちらにも是非ご記入をお願いします。


 伊波さんの出演する舞台はチケットが取りにくいイメージがあるかもしれませんが、『シラノ』や『楽屋』のチケットが取りづらかったのは箱が小さく出演日数も少なかったためです。
 本来演劇で客席を満席にするというのはとても大変なことなのです。(リピーターの多い超人気作や、人気原作の2.5次元舞台などは別ですが。)ですから伊波さんをきっかけに舞台に興味を持ってくださった方には、これからも是非劇場に足を運んでほしいと思います。

 


〈参考までにアドバイス
・チケットが取りやすいのは、やはり平日。
・チケットが取りにくいのは、初日、千穐楽、アフタートーク等のイベント回、土日。
(余談ではありますが。
「初日」とは公演期間の最初の日のことを言います。
「初演」とは再演された作品に対して最初に行われた公演のことを言います。
 使い方を混同している方をよく見かけましたので。例えば『アンチイズム』が再演されたら以前の公演が初演になるわけです。)

・箱の大きさと出演日数を見極める。
参考例
落選祭
『シラノ』約300席4公演
『楽屋』約130席8公演
当選祭
銀河鉄道999
明治座約1300席7公演
梅田芸術劇場約1900席3公演
(申込みすぎると金銭的に大変なことになるので、チケットぴあには公式のリセールサービスもあるのでそちらも有効に利用してください。
周囲は当選祭なのになぜか落選する時もあります。大事なのは複数回ある先行チャンスを見逃さないことです。)

・S席は公演によるので確認。
S席が少ない公演もあれば、ほとんどがS席の公演や全席S席の公演もあります。
逆にチケット代を考慮してA席B席を狙ったら座席数が少なくて落選なんてこともあります。
公式サイトで座席配分を確認してから申込むことも有効な判断材料です。

・公演の公式サイト、公式ツイッターをとにかくチェック。
どんなに対策を練っても先行申込情報を逃しては意味がありません。公演の公式サイト、公式ツイッター。余裕があれば「劇場のサイト」や「チケット取扱サイト」も小まめにチェックできれば情報漏れはかなり防げると思います。
(将来的に東宝ミュージカルに出演するようになったら公演によってはカード会社や旅行会社の先行や貸切公演なんてのもありますが…今は気にしなくて大丈夫です)

 


 時間もお金も有限です。
 応援の仕方も様々です。
 そのなかで少しでも〝伊波さんの夢への助力〟といった観点を持っていただけたら嬉しく思います。
 最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

 

 

 

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追記。

 2019年4月26日。舞台「銀河鉄道999」の公演期間中。ついに伊波さんがミュージカル出演の夢を掴んだという嬉しいお知らせが届きました。
 そしてこの公演はより意味深く、最高の船出となる舞台となりました。

銀河鉄道999」で初めて伊波さんのお芝居を観たミュージカルファンの方から、歌や演技についてたくさんのお褒めの言葉を耳にしました。
 また客席に座っていると、お友達同士で「電源切ったか?」など確認しあったり、伊波さんのファンのなかで観劇マナーの芽が育っているのも感じられ感動いたしました。
 伊波さんが前に進み続けるかぎり、きっとこれからも伊波さんを〝きっかけ〟に初めて舞台を観劇する人を連れてきてくださるはずです。

 何かを伝えたり教えたりすることはとても難しく大変なことです。だからこそ〝初心〟が大切なのだと思います。初めて観劇した時のドキドキや戸惑い。何よりも感動した気持ちを大切にしてほしいと思います。それは誰しもが通ってきた道だから。
 気づかずマナー違反をしている人がいたら、今度はすでに観劇マナーを知っている人が「どうしてそれを守らなくてはいけないのか」を優しく教えてあげられたら素敵だなと思います。
 伊波さんのくれた〝きっかけ〟という宝物を大切にしたい。私はそう思います。