エトワールの木漏れ日

舞台、ライブ、イベントなどの備忘録

SOLID STARプロデュース『MONSTER LIVE!』備忘録

 2017年6月1日 SOLID STARプロデュース『MONSTER LIVE!』を観てきました。

 

 まず劇場に入って驚いたのが箱の小ささ。全部で11列で約180席。しかも座席の前後の間隔も狭いのでとにかく舞台との距離が近い。
 さらに舞台と客席との段差もかなり低く、具体的にいうと最前列の人が座ったときの膝の高さくらい。おそらく足を伸ばしたら舞台に届く距離だったのではないでしょうか。
 そんな距離感で見られるコントはやはりテレビで見るのとは迫力が違いました。
 目線、キレ、息継ぎまで伝わる。だからこそ面白ければよりそれがダイレクトに伝わるし、逆に少しでも何かがずれてしまえば笑いはしらける。そのピリリとした緊張感が開幕一番、魂ずさんのネタからは伝わりました。
 やはり生の舞台はお客さんの反応があって完成されるものだなと。笑い声、拍手、手拍子。そういうものが時として役者さんのまだ見ぬ力、魅力を引き出したり、殻を破る助力になることがあります。お笑いは実力を引き出すという意味でそれがとくに顕著だなと感じました。

 

【6月1日の流れ】
・魂ずさんのネタ
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・MCのノッチさん、伊波杏樹さん登場
 伊波さんは次に出番が控えているということもあり衣装の上に黒のパーカー姿でした。またスカートが膝上丈なのでマイクのコードをさばこうとしてパタパタしている姿にちょっとドキドキ、ヒヤヒヤしてしまいました。
 ノッチさんと伊波さんのMCは‘終始ふわふわしているノッチさんをフォローする伊波さん’という図で展開されていました 笑
 次のネタへと移行するとき、二人合わせて「Here we go!」と叫ぶのですが、その際伊波さんが毎回「ヒアリーゴー!」であったり「ヒュリーゴー!」になっていたり言い方が定まっていないのが可愛らしかったです。

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・「OTSN症候群」
 伊波さん出演のこのコントはDVDに収録されるはずなのでそれを見てほしいです。女医です。白衣です。スカートが膝上です。それで足を組みます。2回も。2回も!
 真面目な話をすると。伊波さんは台詞がない場面でのお芝居も本当に毎回違います。スーパーダンガンロンパ2の澪田はもともと元気に動き回る役ですが、ブラックダイスや地獄少女など落ち着いた役どころでも伊波さんは毎公演違うお芝居をしています。
 例えば「地獄少女」で上司から仕事を言い渡されたときも〝うわ~こんなにある…うんざり〟というお芝居だったり。〝こんなにたくさん!?〟と上司の背中を睨み付けるなど。
 「ブラックダイス」だとお嬢様と詐欺師が再会した際の犬についての会話を聞きながら。〝はぁ!犬に咬まれたの私なんですけど!〟と露骨に怒ったリアクション’の日もあれば腕を擦りながら〝ありえない…呆れてものも言えない〟という感じで天を仰いだり。
 今回は箱が小さく1つのコントに出ている人数も少なかったため、そういった表情や動きの細かなお芝居をじっくり堪能できたのがよかったです。

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・MC
 ここでのMCでだったかな?
 初日の「OTSN症候群」でノッチさんの台詞である「クイニーアマン」がまったくウケず、「今日はホワイトロリータに変えてみたら大爆笑だった」と満足そうに語るノッチさん。しかしこの日はそのコントの脚本を書かれた方が客席に来ていたらしく直後平謝りするノッチさんが面白かったです。
 ウケなかった理由はどうやら若い人には「クイニーアマン」がどんなものかあまりイメージができなかったのが原因のよう。その後「ホワイトロリータ」についても説明を始めるノッチさんでしたが、あまりに世代が違う例えすぎて「あはは~ちょっとわかりずらいです」とバッサリ伊波さんに切り捨てられていたのがまた面白かったです。

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・「ペンション殺人事件」
・「屋上の優しいスナイパー」
・「勉強できない学園」
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・MC
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・「秘密基地」
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・MC
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・ライスさんのネタ
かもめんたるさんのネタ(かもめんたるさんはネタが面白いのはもちろん、とにかくそのお芝居に魅入ってしまいました。)
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・出演者全員が登壇
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・アフタートーク
 この日は総合演出の白柳力さんも参加していたということで、かもめんたるさん含めコントの脚本についての話題に。
 「ただ面白可笑しく書けば良いというものではなく、きちんとこの登場人物ならこういうことを言うだろうなと意識して書いている」というような内容の話を真剣な表情で聞いている伊波さんの姿が印象的でした。
 最後にはける直前。ノッチさんのTシャツから飛び出していたネクタイを指摘して直してあげる伊波さん。最初から最後までお世話していましたね 笑

 


 かつて『マンスリーよしもと』を愛読し、劇場にも通っていたほどのお笑い好きの伊波さん。
 ハチメチのラジオでは「顔面パイやドリフみたいなコントをしてみたい!」とアクティブな願望を語っていました。そんな語った夢をひとつひとつ実現させていくその姿は「見たことのない夢の軌道」そのもの。
 私はお芝居に限らず、進行時のツッコミやサバキなどで見られる伊波さんの「間」が大好きなので、コントというフィールドでその才を発揮する姿を拝見できたことが本当に嬉しかったです。
 プロの脚本でコントをするなんて経験、滅多にできるものではないでしょうし。この経験が今後の伊波さんのお芝居にどう活かされるのか。それもまた楽しみです。

 あとはもう顔をくしゃくしゃにさせて手で口元どころか顔まで覆って大笑いしている伊波さんが見られて良かった。大好きなことを心から楽しんでいる姿が見られて、本当に来てよかった。
 素晴らしい時間。素敵な機会をありがとうございました!